座標軸 2021.09

禍転じて福となす
向野幾世【奈良大学元講師】

 新涼のいのちしづかに蝶交む  松村蒼石

 庭の隅、陽当たりと風通しの良い所は雑草の繁りも早い。そこに、秋が来ると一群れの白い小ぶりな花が咲くのは知っていたが、なんと、これが秋の七草フジバカマと知ったのは昨年のこと。絶滅危惧種であまり目にしない花だけに雑草扱いで済ませてきた。
 ところが昨年、お寺の庭で坊守さんから、フジバカマと教わり、この花にはアサギマダラという蝶がくるとのこと。「ほら、今とまっていますよ」と。一瞬の出会いであったが、この出会いには心揺さぶられた。ふわふわと飛ぶアサギマダラという蝶は「旅する蝶」という。5~6センチにも満たず羽を広げても10センチの小さな蝶が海を渡って2000キロ、いや3000キロも飛翔するとは、にわかには信じられない。

 ※詳細は2021年9月号本誌にて。

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。