友好の橋 2021.06

アメリカ合衆国
United States of America

世界に「ZEN」を広めた仏教哲学者・鈴木大拙
スティーブ・ジョブズも傾倒

 米アップル社の創業者、スティーブ・ジョブズが禅に傾倒していたことはよく知られています。彼のモノづくりやシンプルなライフスタイルの背景にも禅があります。情報の海に溺れず、自分を制御して本物を見抜くメソッドとして、グーグルやインテル、IBMなどの社員研修に取り入れられている、「マインドフルネス」も仏教から派生したメゾットです。

 米国に禅を紹介したのは「二人のSUZUKI」鈴木大拙と鈴木俊隆です。大拙が主に講演や執筆活動を行なったのに対し、俊隆は共に坐禅を組んでいます。俊隆の著書『禅マインド ビギナーズ・マインド』(サンガ新書)に、ジョブズは傾倒します。

 生まれてすぐ養子に出されたジョブズは、若い頃から精神世界に没頭し、大学を中退してヒッピーのようになります。そのころ、俊隆と出会い、彼がサンフランシスコの禅堂に呼び寄せた型破りな禅僧・乙川弘文に30年間、師事します。

 禅は大乗仏教の一派で、釈迦の瞑想を発展させたものです。始祖はインドの達磨で、後に中国に渡って広めました。日本には鎌倉時代に栄西や道元によってもたらされ、宋から高僧が渡来したことで盛んになり、江戸時代には白隠や仙厓が活躍します。日本禅には曹洞宗と臨済宗、江戸時代に隠元が伝えた黄檗宗があり、日常生活や仕事を修行と捉える生活禅が特徴です。武士道や茶道などにも取り入れられ、大拙によると浄土宗と共に日本人の霊性を培ってきました。

 ※詳細は2021年6月号本誌にて。

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