時代に咲いた花 2021.07

マダム・C.J.ウォーカー(上)
奴隷解放後もなお続くアメリカ社会の人種差別
洗濯婦から身を起こし黒人女性初の億万長者へ

 人種差別が続いていた20世紀初頭のアメリカで、自らヘアケア商品を開発して起業し、美容界に革命を起こした黒人女性がいます。サラ・ブリードラブこと「マダム・C・J・ウォーカー」の名で知られる彼女は、元奴隷の家に生まれ、貧しい洗濯婦から身を起こし、黒人女性初の億万長者に上り詰めました。
 そのサクセスストーリーは当時のアフリカ系アメリカ人、とりわけ社会の最底辺にいた黒人女性たちを勇気づけ、誇りと夢を与えただけでなく彼女たち自身の人生までも変えたのです。

 1867年12月23日、アメリカ南部のルイジアナ州に暮らす黒人一家に、女児が誕生します。サラと名付けられたその子は、父オーウェン・ブリードラブと母ミネルバ・アンダーソンの間に生まれた6人の子供たちのひとりで、両親にとってはエイブラハム・リンカーンの奴隷解放宣言署名後に生まれた初めての「自由」な子供でした。

 両親と上のきょうだいたちは、かつてマディソン教区のプランテーションの奴隷でしたが、南北戦争が終わった1965年に解放され、自由の身となります。しかし、解放奴隷が自営農家になったり、独立してビジネスを始めようとしても、銀行は黒人に融資せず、多くの白人がかつて奴隷だった彼らを有給で雇うことを拒んだため、暮らしは厳しいものでした。

 

 ※詳細は2021年7月号本誌にて。

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