時代に咲いた花 2021.10

望月カズ(下)
朝鮮戦争の混乱の中で助けた孤児たちと共に生活
血のつながり、国をも超えて命がけで愛情を注ぐ

 米ソ代理戦争ともいわれる朝鮮戦争が勃発した昭和25(1950)年6月25日。ソウルに留まりながら母が眠る旧満州訪問のチャンスを窺っていたカズは、戦乱に巻き込まれます。北朝鮮軍が迫る中、避難民の群れに交じって逃げますが、漢江にかかる鉄橋が爆破され、仕方なく引き返した市街地では、激しい銃撃戦が繰り広げられていました。
 屋台車の陰に身を隠していたその時でした。カズの目の前で女性が銃弾に倒れ、胸元から大きな泣き声が発せられたのです。その瞬間、すべてを忘れて駆け寄り、血に染まった子供を拾いあげていました。
 まだ2歳ばかりの男の子。我が身を守るだけでも必死なのに、どうして育てられましょう。無謀と分かっていても、かつての自分の境遇と重なり、見捨てられませんでした。これがカズと孤児の生活の出発点となるのです。
  
 

 ※詳細は2021年10月号本誌にて。

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